6.リユース・リパーパスをする際の考慮事項

リユース・リパーパスをする際の考慮事項

● 一次利用製品で使用されたセルは、様々な環境、使用履歴、劣化の程度により品質に
 ばらつきが生じます。

● 既存の安全規格の試験方法は破壊試験である為、品質の均一化でないリユース・リパーパス
 製品の評価には適していません。

● 一次利用が適切に使用および取り扱いがされ、リユース・リパーパスにおいても安全性が
 確保出来ることを確認する為に、電池の使用履歴データが必要です。
 その為、一次利用の使用履歴データ無しに電池をリユース・リパーパスしてはいけません。

リユース・リパーパスの製造者は、リユース・リパーパスの
 規格・法規等に基づき、以下の項目の状況を確認すべきであり、
 その責任はリユース・リパーパスの製造者が負う必要があります。

 ・安全性
 ・リユース・リパーパス製品の品質
 ・標準試験の履歴(例:安全性、輸送)
 ・寿命末期の取り扱い
 ・リサイクル

 また、リユース・リパーパス電池の健全性検査では、少なくとも以下の性能を確認して下さい。
 ・電池容量
 ・内部抵抗

● 使用履歴データは、下記の様なものに保存する事が出来ます。
 ・BMS
 ・機器内の他のデータ記憶装置
 ・外部データ記憶装置

● リユース・リパーパスの製造者は一次製造者・一次利用製品製造者に連絡して、
 電池の使用履歴データを入手する必要があります。
 入手すべき使用履歴データの例は以下の通りです。
 ・過充電
 ・過放電
 ・過電流
 ・過昇温
 ・絶縁不良
 ・事故履歴(例:外部短絡、絶縁不良、過度の衝撃・振動、異常保管、BMS自己診断結果)
 ・保管履歴(例:保管期間、環境)

● リユース・リパーパス製品適用に向けた電池の設計に関しては、最初に市場へ投入された時の
 電池の使用条件・BMSの条件を、一次製造者・一次利用製品製造者との書面による承認なしに、
 リユース・リパーパスに向けて(電池の設計を)改変してはいけません。

● また、一次利用のセルの使用範囲(電圧、電流、温度)は、リユース・リパーパスの際に
 拡張してはならず、安全性を向上させる為に、場合によっては狭めるべきです。
 さらに、リユース・リパーパス用途に適切な機能安全規格の要求事項を遵守して下さい。